Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity(ADCC)は抗体に結合した細胞や病原体が、抗体を介してマクロファージやNK細胞などの免疫細胞によって傷害されることを指す。抗HER2抗体の「ハーセプチン」(トラスツズマブ)などの抗腫瘍効果はADCC活性が一因と考えられている。

 ADCC活性を高める手法としては、抗体のFc領域のアミノ酸配列を変更したり、アミノ酸に付加されるフコースを除去したりする技術が知られている。これらの技術により、抗体のFc領域と免疫細胞のFc受容体との結合親和性が上がり、ADCC活性が高まる。

 米Xencor社はFc領域のアミノ酸配列を変えてADCC活性を増強する「XmAb」という技術を開発。2005年には中外製薬が導入契約を締結している。協和発酵キリンはFc領域のフコース修飾を制御してADCC活性を高める「ポテリジェント技術」を保有している。他にも、免疫生物研究所は遺伝子組換えカイコを用いて、糖鎖にフコースを持たない抗HIV抗体の開発を進めており、2020年度中の臨床試験入りを目指している。