血液や尿、涙液などの体液に含まれる、20から25塩基の長さを持つRNA断片のこと。体内の様々な細胞が情報伝達に利用していると考えられており、これまでマウスでは1900種類以上、ヒトでは2650種類以上のマイクロRNAの存在が確認されている。尿や血液など採取しやすい検体を用いたリキッドバイオプシーの診断用技術として研究が進められている。

 実用化研究が進んでいるのは癌の早期発見に用いるための技術で、国立がん研究センター研究所・分子細胞治療研究分野の落谷孝広主任分野長が中心となり、2014年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」プロジェクトが5年間行われた。

 その成果を基に開発された東レの「DNAチップによる膵臓・胆道癌検査キットMI-004(仮称)」は、2019年4月8日にマイクロRNAを活用した体外診断用医薬品として初めて先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。同キットを使った研究では、膵臓癌・胆道癌の患者を感度80%、特異度80%の精度で健常者と選別できるデータがこれまでに得られている。今後、国内で臨床試験を実施し、承認申請する予定。