テロメライシンは、オンコリスバイオファーマが開発中の、遺伝子改変を施した5型アデノウイルス製剤の商標。癌細胞において高い活性を示すヒトテロメラーゼ逆転写酵素遺伝子(hTERT)のプロモーターを用いて増殖するため、正常細胞ではほとんど増殖せず、癌細胞で特異的に大量増殖し腫瘍を破壊することができる。このため腫瘍溶解ウイルスとも呼ばれている。ウイルス療法によって破壊された癌細胞によって、樹状細胞などを介した癌免疫を誘導することも示唆されている。そのため、免疫チェックポイント阻害薬との併用による相乗効果も期待される。

 2019年4月8日、オンコリスバイオファーマは日本・台湾におけるテロメライシンの開発・製造・販売に関して、中外製薬と独占的ライセンス契約を結んだことを発表した。国内では現在、フェーズII試験を実施している。

 また同日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)はテロメライシンを再生医療等製品として、先駆け審査指定制度の対象品目に追加した。予定効能は「切除不能、化学療法不耐容又は抵抗性の局所進行性食道癌」だ。指定理由として、新規作用機序を有し、画期性が高いことの他に、標準治療が実施できない食道癌に対して行われる放射線単独療法の治療効果が十分でないことなどを挙げている。