インターネットやモバイル端末の普及に加え、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)の進化によりデータ量が爆発的に増えている。こうした現実世界(フィジカル空間)にある多様なデータをサイバー空間で大規模に分析し、生み出された知識や価値を現実の社会問題の解決や産業の活性化に生かそうとする概念が「データ駆動型社会」だ。2015年ごろから経済産業省などが提唱しており、2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」では、「Society5.0」と共に「データ駆動型社会」への変革が重点課題として掲げられた。

 とりわけ医療分野では、厚生労働省が構築を目指している「次世代ヘルスケアシステム」にデータ駆動型社会の考え方を取り入れようとしている。具体的には、(1)GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)に代表される米巨大IT企業のイノベーション創出力、(2)「一般情報保護規制(General Data Protection Regulation:GDPR)」を施行してデータを個人に戻そうとする欧州流のデータガバナンス、そして(3)個人の「信用スコア」を用いて社会の幸福度を高めようとする中国の取り組み、などをうまく組み合わせることで、日本の実情に合わせた社会保障システムの構築を目指している。