標的抗原に結合する、重鎖のみから成る免疫グロブリン(抗体)の可変領域。低分子化抗体の一種で、単鎖抗体、単一ドメイン抗体などと呼ばれることもある。

 アルパカやラクダ、ラマなどラクダ科の哺乳類は、生体内で軽鎖の無い、重鎖のみから成る免疫グロブリンを産生することが知られている。

 ナノボディは、抗原に対しては通常の抗体と同様の親和性を有しており、耐酸性や耐熱性に優れ、変性しても生理的条件にすれば、適切な折り畳み構造が復活して活性が戻る。分子量は12kDaから15kDa程度と小さいため、大腸菌や酵母といった微生物を用いて生産でき、蛋白質工学や化学修飾による機能改変が容易であり、抗体薬物複合体(ADC)も作製しやすいことで知られている。

 2018年1月、フランスSanofi社が約5300億円で買収したベルギーAblynx社は、ナノボディを医薬品として開発してきた。その後、後天性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)治療薬で、フォン・ヴィレブランド因子(vWF)を標的とした2価のナノボディである「Cablivi」(caplacizumab-yhdp)が、欧州で2018年8月に、米国で2019年2月に承認された。