アミノエチルスルホン酸。ほぼ全ての動物の体内に存在する含硫アミノ酸で、イカ、タコ、カキなどの軟体動物に多く含まれている。含硫アミノ酸には他にメチオニンやシステインがあるが、タウリンはこれらと違い蛋白質を構成しない。

 細胞や体の恒常性を維持する機能を持ち、食事からの摂取の多い地域では、肥満や高血圧などの生活習慣病が少なく、循環器疾患による死亡率も低いことが疫学調査などで明らかにされている。このため医薬部外品を含む栄養ドリンクに多く利用されている。また、医療用のタウリン製剤が1987年に、高ビリルビン血症(閉塞性黄疸を除く)における肝機能の改善、うっ血性心不全の効能・効果で承認されている。

 大正製薬は2018年4月に医療用のタウリン製剤「タウリン散98%『大正』」について、ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作(MELAS)症候群における脳卒中様発作の抑制の効能追加を申請し、2019年1月の薬事・食品衛生審議会第一部会で承認が了承された。MELASはミトコンドリアの遺伝的異常による機能低下により発症するミトコンドリア病の1つで、これまで医薬品は存在しなかった。厚生労働省の医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議での検討結果を受けて、開発要請が行われていた。