米University of California San Diego(UCSD)の研究者が開発した「precision-guided sterile insect technique(pgSIT)」を和訳したもの。SITは昆虫を不妊化させる技術を指す。

 ショウジョウバエなど昆虫の性は、X染色体と常染色体の存在比で決定することが分かっている。それを決めるのが性決定カスケードであり、複数の遺伝子が性別特異的な選択的スプライシングを受けて発現が制御されている。UCSDの研究者グループは、この性別特異的な選択的スプライシングを利用してメスの初期胚に特異的に発現する性決定遺伝子に対するガイドRNA(gRNA)を作成。Cas遺伝子(ホモ接合体)を組み込んだメスのショウジョウバエと、作成したgRNA(ホモ接合体)を発現するように組み換えたオスのショウジョウバエを作製し、CRISPR/Cas9システムによってメスの場合は致死し、オスの場合は不妊になるというSITを開発した。不妊のオスであっても、生殖においては野生のオスと競合することが確認された。この技術を害虫に応用すれば駆除することが可能。標的とした性決定遺伝子は様々な昆虫で機能していることから、幅広い昆虫に応用できると考えられている。