食べ物に含まれる難消化成分の総称である食物繊維のうち、水に溶ける性質を持つもの。難消化とは、人の消化酵素によって消化されないことを意味する。植物性食品に豊富な多糖類が、食物繊維の多くを占める。食物繊維は、水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維とに分けられる。

 食物繊維は、便通を整える整腸作用や、食後血糖値の上昇を抑える作用、腸管での胆汁酸の再吸収を抑制して血中コレステロールの上がり過ぎを抑える作用などの有益性が認められており、蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルに続く第6の栄養素とされる。食べ物として摂取された食物繊維は分解されずに大腸に届き、大腸に存在する微生物のエネルギー源やすみかとして利用される。腸内の健康維持に重要な短鎖脂肪酸を、腸内微生物が作り出す原料となる。

 厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準」では、食物繊維は、炭水化物の一部と位置付けられている。2015年4月から2020年3月まで使用中の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、蛋白質、脂質、炭水化物の3栄養素が「主要栄養素」とされているが、策定中の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、主要栄養素という記載は無くなり、蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルを栄養素と記載している。