癌細胞(腫瘍)周囲を囲む微小環境のことで、正常細胞(免疫細胞、線維芽細胞、リンパ球など)、生体分子、細胞外マトリックス、血管などから構成される。微小環境から腫瘍が栄養の供給を受けるなど、腫瘍と微小環境は相互に影響を及ぼし合っており、微小環境が腫瘍の縮小や増殖にも影響を及ぼすと考えられている。

 中でも、免疫チェックポイント阻害薬など、宿主(患者)の免疫細胞を活性化するような癌免疫療法では、抗腫瘍効果を引き出すために腫瘍微小環境に十分な数の活性化した免疫細胞が存在することが重要だと指摘されており、癌免疫療法の普及とともに、腫瘍微小環境の重要性が知られるようになった。

 また、増殖した癌細胞では解糖系が亢進し、乳酸や水素イオンが産生され、癌細胞はそれを細胞外に放出することが知られている。近年では、酸性になった腫瘍微小環境をアルカリ化することで、癌細胞の増殖を抑えるという新たな治療も開発されている。