骨格幹細胞(Skeletal Stem Cells:SSCs)は骨髄の間質中に含まれる。自己複製能力と骨格系統(軟骨、骨、骨髄脂肪細胞、線維芽細胞)への分化能力を併せ持つ。骨の形成や代謝に関与することが分かっており、胎児だけでなく成人の骨にも存在する。特に、骨折後の治癒が進む部位の近くに多く存在する。

 米Stanford大学医学部のMichael Longaker氏らの研究グループがマウスの骨格幹細胞の同定を通じて得たノウハウを活用して、ヒト骨格幹細胞の単離に成功した。ヒト骨格幹細胞のバイオマーカーとしてはPDPN(陽性)、Lin(陰性)、CD146(陰性)、CD73(陽性)、CD164(陽性)が同定された。詳細は、Cell誌オンライン版(2018年9月20日付)に報告された。

 Longaker氏らの研究グループは骨形成因子の1つであるBMP2で処理したヒト脂肪間質細胞と、骨格を形成する方向に分化を刺激したiPS細胞からも骨格幹細胞を得ることができた。ヒトは高齢になるほど、骨折後の治癒が難しくなり、関節炎などの患者も増える。そこで吸引により簡単に入手できる脂肪細胞から骨格幹細胞を分化させ、それらを移植することにより、損傷した骨と軟骨を補う治療や、関節で新たな軟骨を作らせる治療が有望視されている。