Radiology(放射線医学)とomics(多量の情報を系統的に扱う科学)を組み合わせた造語。コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)などで撮影した画像を統合的に解析し、診断の効率と精度を高め、予後を予測する研究分野を指す。解析対象となる領域(多くは病変)を適切に選び、その中から画像的特徴を抽出することがポイントとなる。従来は画像診断に精通した放射線科医の力量が問われてきたが、最近では機械学習や人工知能(AI)を駆使して診断の精度を高めようとする研究も活発に行われている。

 Radiomicsに注目が集まるのは、生体検査(バイオプシー)の代わりになるかもしれないという期待が高まっているからだ。とりわけ癌細胞は体内で激しく変化していることから、Precision Medicine(個別化医療)を実現するためには患者から何度も生検を行う必要がある。Radiomicsベースのバイオマーカーが同定できれば、患者の負担を大きく下げられる。このバイオマーカーをRadiomics signature(ラジオミックシグネチャー)と呼ぶ。

 Radiomicsと似た概念で、Radiologyにgenomics(遺伝子科学)を組み合わせたRadiogenomics(ラジオジェノミクス)という造語もある。こちらは遺伝子情報も加えて診断の効率をさらに高めようという試みだ。