欧州医薬品庁(EMA)を中心に議論されている新薬の臨床開発と承認に関する新たな概念。癌や遺伝子疾患などアンメット・メディカル・ニーズの高い病気を対象に、患者が新薬をより早く使うことができるようにすることを目指している。同じAdaptive(適応性の)という単語を使う「Adaptive Licensing」も、ほぼ同一の概念だ。

 EMAの定義では、Adaptive Pathwayは3つの要素から構成される。1つ目は段階的な開発・承認。最初は限られた患者群(通常は重症)だけに承認し、その後、段階的に対象患者を広げていく。もしくは早期の臨床試験データ(臨床効果を示唆する代理の有効性評価項目を利用)を基に条件付きで承認し、その後、正式承認に移行するという2つのやり方がある。2つ目は臨床試験のデータを補完する目的で、実臨床(リアルワールド)におけるデータを収集して利用すること。3つ目は開発の早期段階から、患者および医療技術評価機関が関与することだ。

 無作為化比較試験(RCT)を主体とした従来の臨床試験は科学的に頑強であり、患者の安全を守りながら有効な薬を提供するという規制当局の目的に合致している。ただ、頑強であるが故に融通性に乏しく、臨床試験にかかる費用と期間が増大する要因ともなっている。