ウシやブタなど家畜の個体を飼育するのではなく、肉として食べる部位(多くは筋肉細胞)だけを培養して人工的に得る肉のこと。既存の畜産業は、環境への負荷が大きい。世界の人口は2050年までに90億人を突破すると見込まれており、特に肉類などの蛋白質は需要が賄えないと懸念されている。細胞培養の手法を用いて肉を調達できれば衛生管理も容易となり、動物を殺す必要も無くなる。欧米では、「クリーンミート」とも呼ばれている。

 課題はコストだ。米Google社の共同創業者Sergey Brin氏が開発資金を提供したクリーンバーガープロジェクトでは、2013年の発表時、200gの牛肉パテの生産コストが25万ドル(約2800万円)だった。食糧問題を解決するためには培養肉の生産コストを劇的に引き下げる必要がある。

 日本のフードテックベンチャーであるインテグリカルチャーは、独自の細胞培養技術で培養肉のコストを2000ドル/kgに引き下げことに成功している。さらなる技術革新によって、2026年ごろまでには生産コストを2ドル/kgにまで引き下げることを目指している。また、オランダMaastricht大学などの研究グループは家畜由来の幹細胞をバイオリアクターで大量培養して、筋肉に分化させるプロジェクトを推進している。