スプライシング調節薬(Splicing Modifiers)は、mRNAなどが合成される際のスプライシングを調節する治療薬のこと。真核生物において、mRNAなどは、DNAから転写されたpre-mRNA(mRNA前駆体)からイントロンが切断、除去され、エキソンが再結合するスプライシング(反応)によって合成される。

 これまでの研究から、mRNAが合成される際のミススプライシング(例えばエクソンスキッピング)によって、正常な蛋白質が産生されず、発症したり、進行したりする疾患があることが分かっている。スプライシング調節薬は、疾患や増悪の原因となっているミススプライシングを調整し、正常な蛋白質を産生させるなどして、治療する薬剤を指す。

 米Biogen社と米Ionis Pharmaceuticals社が開発した「スピンラザ髄注」(ヌシネルセンナトリウム)は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の原因であるサバイバルモーターニューロン(SMN)2遺伝子のmRNA前駆体に結合し、スプライシングを調節して全長型のSMN蛋白質の発現を増やす核酸医薬だ。最近では、スプライシング調節薬として、mRNA前駆体に結合し、正常な蛋白質を産生させる低分子化合物も研究されつつあり、スプライシング調節薬のモダリティが多様化しつつある。