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ノンコーディングRNA(ncRNA)

(2018.07.23 00:42)
2018年07月23日号

 ノンコーディングRNA(ncRNA)は、蛋白質をコードしていないRNAの総称。ヒトゲノムは、その90%以上の領域が転写されているが、蛋白質をコードしているのはわずか2%の領域であり、残りの大部分の領域がncRNAである。

 ncRNAは、二十数塩基長のmicroRNAなどの短鎖ncRNAと、数百塩基から数万塩基長の長鎖ncRNA(lncRNA)に分類される。これまでの研究から、特定のmicroRNAなど、短鎖ncRNAの中に、発生や癌化、癌の転移などに関与するものが含まれていることが分かっている。また、lncRNAについても、生理機能や疾患との関連を研究する動きが活発化している。

 同時に、創薬応用の研究も進められている。従来の創薬標的は蛋白質が中心だった。しかし、近年は核酸医薬の登場などで蛋白質をコードするmRNA(やその前駆体)や蛋白質をコードしないncRNAが創薬標的になり得ると考えられつつある。中でも、発症や増悪に異常な蛋白質が関与していない疾患や、構造上、異常な蛋白質を狙えない疾患などではncRNAが創薬標的として有望だと考えられつつある。最近では、核酸や低分子化合物を用いて、microRNAやmicroRNA前駆体などのncRNAを阻害する研究が盛んに行われており、発癌に関与するmicroRNAを低分子化合物で阻害して癌細胞の浸潤を止めるなどの研究成果が出始めている。