多数の細胞を高速で流しながら、細胞1個ずつを光学的に分析する測定手法であるフローサイトメトリーの新手法。細胞の形態情報を光圧縮信号として計測し、“画像化せずに”直接、機械学習により形態情報を判別することにより、目的の細胞を選択的に高速分離することを実現した。

 従来は、形態情報をヒトの目で観察して判別するために、ヒトが認識するためのデータ形式である“画像”にすることが必要とされ、高速化が難しかった。Science誌にてこの技術を発表した東京大学先端科学技術研究センターの太田禎生准教授らが、この技術を「ゴーストサイトメトリー」と名付けた。

 「特殊な光構造照明上での対象の“動き”を利用して、対象像を捉える」という新しいコンセプトで、蛍光など暗い対象も高速(1秒当たり1万枚以上)で撮影できる単一画素圧縮撮像手法である“動的ゴーストイメージング法”により、ゴーストサイトメトリーを開発した。

 フローサイトメトリーのうち、目的の細胞を分取できる装置は、一般的にセルソーターと呼ばれる。一般的なセルソーターの場合は、細胞から発せられる蛍光信号のうち、強度総量のみを細胞判別に用いている。ゴーストサイトメトリーのセルソーターでは、細胞の蛍光形態情報や蛍光局在を判別に用いることができる。