リボヌクレアーゼ(RNase)を誘導するオリゴヌクレオチドと、RNAに結合する化合物を結合させたキメラ化合物のこと。ribonuclease-targeting chimerasの略。米Scripps Research Institute(TSRI)のMatthew Disney氏らの研究グループが開発、命名し、2018年5月24日、米化学学会誌オンライン版に報告した。

 Disney氏は、コンピューターによるシミュレーションを基に、トリプルネガティブ乳癌の発生に関わるとされているmicroRNA-96を標的として、ヘアピン構造をしたmiRNA-96前駆体に特異的に結合する化合物(Targaprimir-96)を設計。Targaprimir-96の投与により、microRNA-96の産生が減少し、腫瘍の増殖が抑制されることをin vivoの実験で示していた。

 そこでDisney氏らは、Targaprimir-96に、リボヌクレアーゼ(RNase)誘導因子として短い2’-5’ポリ(A)オリゴヌクレオチドを結合させたキメラ化合物を作製。in vitroの実験で、乳癌細胞にキメラ化合物を投与したところ、キメラ化合物がmiRNA-96前駆体に結合し、かつ、内在性のRNase Lを活性化して、miRNA-96前駆体を切断。microRNA-96のサイレンシングによって、アポトーシス誘導性のFOXO1転写因子の抑制が解除され、乳癌細胞にアポトーシスが誘導されることを見いだした。Disney氏は、開発した「RIBOTAC」が、RNA編集を行うためのツールになるとしている。