生体に備わる細胞内の不要な蛋白質を分解するメカニズムである、ユビキチン依存的な蛋白質分解の仕組みのこと。まず、ユビキチン活性化酵素とユビキチン結合酵素、ユビキチンリガーゼ(E3リガーゼ)の3種類の酵素の関与により、不要な蛋白質に「ユビキチン」と呼ばれる蛋白質を付加する(ユビキチン化)。その後、作られたユビキチンに、さらにユビキチンが付加され、直鎖状に連なってユビキチン鎖が形成される。最終的に、細胞内のプロテアソームが、ユビキチン鎖を目印として、不要な蛋白質を不可逆的に分解する。この仕組みを発見したIsrael Institute of TechnologyのAaron Ciechanover教授とAvram Hershko教授、The University of California Irvineの故Irwin Rose教授は、2004年のノーベル化学賞を受賞した。

 ユビキチン・プロテアソーム系を狙った創薬研究は、1990年代から活発化。プロテアソームを阻害して不要な蛋白質を蓄積させ、癌細胞死を誘導する「ベルケイド」(ボルテゾミブ)や「カイプロリス」(カルフィルゾミブ)などが実用化した。