アルツハイマー病患者の脳内に認められる老人斑の主成分で、脳内に凝集・蓄積したアミロイドβ(Aβ)ペプチドのこと。Aβの蓄積に続いてタウ蛋白質がリン酸化し、神経原線維変化が起きることが、アルツハイマー型認知症の発症の引き金ではないかと考えられている(アミロイド仮説)。Aβの蓄積は発症の約20年前から蓄積が始まるとの見方もあり、近年、アルツハイマー病を対象とした薬剤の臨床試験では、脳内のAβの蓄積の有無を調べるケースが増えている。

 現在、脳内のAβを検出する方法として使われているのは、アミロイドPET検査と脳脊髄液検査だ。アミロイドPET検査は、イメージング剤として放射性同位体で標識した化合物を投与し、PET検査で脳内のAβ蓄積量や有無を測定する。ただし、放射性同位体を用いることから、検査を実施できる施設が限られる。また、脳脊髄液検査は腰椎穿刺が必要で、侵襲性が高い。

 国立長寿医療研究センターと島津製作所らの研究チームは、血中のAβ関連ペプチドをバイオマーカーとすることで、アミロイドPET検査と同等の高い精度で脳内のAβの蓄積を検出する技術を確立したと発表。研究成果は、2018年2月1日付のNature誌オンライン版で報告された。簡便で侵襲性が低いため、大規模スクリーニングに向いていると考えられる。