ロドプシンは、網膜の視細胞に含まれる光受容体。オプシンとレチナールが結合したもので、光を受容するとレチナールが活性状態となり、視神経の興奮を起こさせて光を認識する。網膜色素変性は、このロドプシンなどの遺伝子の異常により、視力低下を引き起こす遺伝性の疾患である。現在、有効な治療法がなく、全世界の製薬企業が治療薬の開発を進めている。開発中の治療法の中で注目を集めるのが、ロドプシン遺伝子を眼の中の本来光感受性のない細胞に組み込んで視力の回復を目指すロドプシン遺伝子治療だ。

 2016年には日米で開発中のロドプシン遺伝子治療を導入する企業が相次いだ。2月にアステラス製薬が、東北大発ベンチャーのクリノ(仙台市青葉区、佐竹典明社長)から全世界での開発・販売権を導入したのを皮切りに、米Spark Therapeutics社が3月にアイルランドGenable Technologies社を買収。アイルランドAllergan社は9月に米RetroSense Therapeutics社を買収して、それぞれロドプシン遺伝子治療のパイプラインを獲得。窪田製薬ホールディングス傘下の米Acucela社も4月に英University of Manchesterから導入した。