一般的に、医薬品等との因果関係がはっきりしないものを含め、医薬品等を投与された患者に生じた、好ましくない、あるいは意図しないあらゆる兆候、症状、病気のことを指す。

 医薬品医療機器等法下による治験においては、治験薬や市販後臨床試験薬を投与された被験者に生じた全ての疾病またはその兆候のことを指す。当該治験薬または当該製造販売後臨床試験薬との因果関係の有無は問わない。同法の下、医薬品や再生医療等製品の治験の実施基準を定めた、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP省令)と「再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(再生医療等製品GCP省令)で上記のように定義されている。再生医療等製品の場合は、治験薬等の製造のために行う細胞や組織の採取において生じた意図しない疾病や障害、それらの兆候も有害事象に含まれる。

 再生医療新法下で実施される臨床研究や治療に関しては、同法18条で「再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病、障害もしくは死亡または感染症の発生」について、厚生労働大臣への報告を求めているものの、有害事象の定義はない。ただし、他家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞の臨床研究で移植手術を受けた患者が網膜浮腫を発症したことについては、同法18条の「疾病」に該当するとして報告が行われた。