抗菌薬などの不適切な使用により、菌が薬剤に対して耐性を持ってしまい薬剤の効果がなくなること。人や家畜で、世界的な問題となっている。日本では、抗菌薬の使用量は欧州連合(EU)の先進諸国と比較すると、ドイツに次いで低い水準となっているものの、細菌に対して幅広く効果を示すセファロスポリン系やフルオロキノロン系、マクロライド系薬が多く使われていることが問題となっている。

 世界保健機関(WHO)は2015年の総会で、AMRについて全ての国に対して2年以内に(1)教育・普及啓発、(2)研究・サーベイランス、(3)感染予防、(4)抗微生物薬使用の最適化、(5)新薬への投資――の5つの目標の策定を決議した他、2015年にドイツで開催されたエルマウサミットや2016年の伊勢志摩サミットでも、課題として取り上げられた。

 我が国では、2016年4月に厚労省が出したアクションプランで、国民や医療従事者、獣医療関係者などに対して適切な抗菌薬の使用に関する教育・啓発を強化する他、感染症発生動向調査の強化、薬剤耐性に関する包括的なシンクタンク機能を担う組織を国立感染症研究所に設立することなどが示され、肺炎球菌や黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、肺炎桿菌に対する耐性菌への対策が進められている。