血友病は、血液の凝固に関わる蛋白質の一部の欠乏や機能低下が原因で止血異常を来す疾患。欠乏する蛋白質の種類により、血友病Aと血友病Bとがある。血友病Aは血液凝固第8因子が、血友病Bは血液凝固第9因子が欠乏している。フォン・ヴィレブランド病など、類縁疾患もある。

 エイズ予防財団が厚生労働省の委託を受けて行っている調査によると、2016年度の血友病Aの患者数は5103人、血友病Bは1097人。いずれもそのほとんどが男性だ。どちらも遺伝性の疾患だが、突然変異による孤発例もみられる。同疾患の患者は、筋肉内出血や関節内出血などの深部での出血傾向が見られ、同じ関節内で出血を繰り返すことで滑膜に炎症を起こす。

 出血に対する治療としてはこれまで、血友病A、Bに関係なく、出血の際や、予防的に凝固因子製剤の投与が行われてきたが、根治には至っていなかった。1980年代には、血液由来の非加熱の凝固因子製剤で多くの血友病患者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染するいわゆる“薬害エイズ事件”も起こっている。現在、凝固因子製剤を用いた治療法の代わりに、遺伝子治療の開発も進んでいる。