Indelは、塩基の挿入(insertion)と塩基の欠失(deletion)を合わせた言葉。塩基挿入か欠失のどちらか、あるいは両方を意味する。Indel変異は、それらで生じる遺伝的な変異を指す。

 体内ではDNA配列を設計図として蛋白質が合成される。手順は次の通りだ。まず、DNAを基にmRNAが作られる。mRNA配列をリボソームが認識し、配列に対応するアミノ酸をペプチド結合でつなげて蛋白質を合成していく。mRNA 配列は、隣り合う3塩基(コドン)が、1つのアミノ酸と対応している。そのため、Indel変異が生じると、隣り合う3塩基の組み合わせが変わってしまい(フレームシフト)、本来合成されるはずのものとは別のアミノ酸が配置されてしまう。その結果、変異した蛋白質が体内で生じてしまうことになる。

 例えば、mRNAのCAGUGUCGUの配列をリボソームが読み取った場合、CAG(グルタミン)、UGU(システイン)、CGU(アルギニン)と順番に合成する。ここで、最初のコドンの1文字目のCが欠失すると、3塩基の組み合わせがずれ、AGU(セリン)、GUC(バリン)、GU……となり、異なるアミノ酸で構成された変異を持つ蛋白質が生じることになる。