不妊治療において、体外受精した受精卵を子宮に移植する前に、染色体の本数の異常などを調べる検査のこと。異常の無い受精卵を選んで子宮に移植することで、トリソミーなど染色体の数的異常による流産を防ぐのを目的に行われる。胚盤胞の段階で一部細胞を採取し、染色体を調べる。当初は蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)法により行われていたが、一部の染色体しか調べることができず、出産率の増加にはつながらなかった。その後、マイクロアレイを用いた比較遺伝子競合(CGH)法で、24本の全染色体を調べられるようになった。近年は、次世代シーケンサー(NGS)を用いた手法が登場し、初期胚に多く見られるモザイクも検出できるようになった。着床前診断にはPGSの他、特定の遺伝子異常の有無を診断する着床前遺伝子診断(PGD)がある。

 日本産科婦人科学会は、重篤な遺伝性疾患と染色体転座に起因する習慣流産に対してのみ着床前診断を実施することを容認してきたが、2017年2月から同学会が中心となり、名古屋市立大学など6医療機関において、出産率への影響などを評価する目的でPGSの臨床研究を行っている。