繰り返し配列など、短鎖型次世代シーケンサー(NGS)では解析が難しい領域を仮想的に統合した配列のこと。

 染色体上には、繰り返しを多く含む領域など、短鎖型NGSを利用すると、解析が難しい領域が含まれる。デコイ配列をNGSを利用したゲノム解析の際に参照すれば、ゲノムの配列を決める精度が向上する。

 NGSでゲノムを解読する手順は、まずゲノムの配列を断片化して、その1つ1つの配列を読み、続いて配列が分かった大量の断片を、国際ヒトゲノム参照配列などを参照しながら再構成(マッピング)することで、ゲノム配列を明らかにする。しかし、繰り返しを多く含む領域などの配列は、細かく断片化すると、他の断片と区別するのが困難となり、マッピングする際に1カ所に過度に集中してしまうなどの問題が生じる。短鎖型NGSでの解析に当たり、断片化した配列をマッピングする際に、デコイ(=おとり)配列を参照すると、そうした問題を解決できる。

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、日本人が保有しているものの、これまで報告されてこなかった約9600カ所の新たな挿入配列、約620万塩基の同定に成功したため、日本人に高頻度に存在することが確認されていながら国際ヒトゲノム参照配列には含まれていない配列を集めたデコイ配列を公表した。