Mixed Lineage Leukemia遺伝子の略で、急性白血病の悪性化と治療抵抗性、予後不良の原因となる遺伝子。36個のエクソンを持つ比較的大きな遺伝子だ。乳児の急性リンパ性白血病の約8割はMLL遺伝子の融合遺伝子が原因といわれている。

 MLL遺伝子は11番染色体に存在している。MLL遺伝子に由来する正常なMLL蛋白質は、転写因子としてヒストンのメチル化に関わり、造血幹細胞や前駆細胞など血球産生細胞で活性が高く、細胞増殖を促進する遺伝子発現を調節している。

 一方で白血球や赤血球などではMLL遺伝子の活性は弱まり、細胞増殖は起きないようになっている。しかし、何かの原因でMLL遺伝子がある11番染色体が傷つき、転座によって融合遺伝子が生じると、前駆細胞の段階で無制限に増殖し続けるため、血球細胞に分化できず、白血病化が進むと考えられている。

 MLL遺伝子は、50以上の遺伝子と融合することが知られている。そのうち白血病と原因となるのは、数種類であることが分かっているが、融合遺伝子となったMLL遺伝子がどのようなメカニズムで白血病の発症に起因するのかが解明されておらず、治療が難しいことが課題だ。

 そのため現在、MLL遺伝子の融合遺伝子がどのような機序で白血病を引き起こすのかが精力的に研究されている。