炭素原子間結合が側鎖にもあるアミノ酸。分岐アミノ酸、分枝鎖アミノ酸ということもある。蛋白質を構成するアミノ酸20種類の中では、ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類がBCAA。いずれもヒトでは体内で合成されないため食物から摂取する必要がある必須アミノ酸だ。

 BCAAの機能としてはまず、運動による筋蛋白質の分解を防ぐ作用が知られている。運動中には筋蛋白質の分解が亢進し、筋肉でのBCAAの分解が促進されることが分かっているが、運動直前にBCAAを摂取することにより、血中と筋肉中のBCAA濃度が上昇する。BCAAを摂取しておくと、補給されたBCAAが分解されることにより筋蛋白質の分解を抑制できる。

 BCAAの機能としては次いで、中枢性疲労の軽減が報告されている。中枢性疲労のメカニズムの1つに、脳内でトリプトファンから生成するセロトニンが原因と考えられている。トリプトファンが脳に移動するときに通る脳血液関門(BBB)の輸送体は、BCAAと共通。そのため、BCAAを摂取しておくと、BBBを通って脳に到達するトリプトファンの量が減るため、中枢性疲労を緩和し得る。運動前にBCAAを摂取すると、運動中の主観的運動強度を軽減できることが報告されている。

 BCAAは医薬品として実用化されている。味の素が開発した低アルブミン血症改善治療薬「リーバクト」は販売開始が1996年。2016年4月からEAファーマが販売している。