デジタルPCRとは、解析したいサンプル(DNA)をあらかじめ1ウエル当たり1コピー(分子)になるように分配した上で、それぞれのウエルにおいてポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction:PCR)増幅を実施。ウエルごとに増幅産物の有無を検出し、コピー数の絶対量を定量する技術。従来のリアルタイムPCR法と異なり、検量線を必要とせずに絶対量を定量できる他、わずかなDNA(変異)でも検出することが可能で、まれな変異の検出やコピー数解析などができる。

 デジタルPCRの装置としては、米Thermo Fisher Scientific社の「QuantStudio 3D デジタルPCRシステム」、米Bio-Rad社の「QX200 Droplet Digital PCR」、米Fluidigm社の「BioMark HD MX/HX システム」、米RainDance Technologies社の「RainDrop Digital PCR System」等が販売されている。また、シスメックス子会社であるドイツSysmex Inostics社は、デジタルPCRのベースとなるBEAMing技術を有しており、装置の開発を進めている。現在は、研究利用が中心だが、将来は血中循環DNA(cfDNA)を用いて、抗癌剤への耐性変異を検出するなど、リキッドバイオプシーと称して臨床で利用されるケースが増えると考えられている。