胎内の発生で生じる初期的な器官で、組織や臓器のもととなる細胞の塊のこと。複数の細胞を共培養して作製されている。理化学研究所多細胞形成研究センター器官誘導研究チームの辻孝チームリーダーは、歯胚上皮細胞と歯胚間葉細胞を共培養することで、歯の原基を作製した。他にも、上皮系幹細胞と間葉系幹細胞を共培養し、毛包の原基を作製している。

 横浜市立大学大学院医学系研究科の谷口英樹教授や武部貴則准教授の研究グループは、内胚葉細胞と、血管内皮細胞、間葉系幹細胞の3種類を共培養し、血管構造を持つ立体的な肝臓の原基を構築した。新生児の尿素サイクル異常症を適応症とする臨床試験の準備を進めている。他にも武部准教授らは、臓器の分化段階の細胞を利用し、腸管や肺、腎臓、心臓、脳、膵臓などの器官原基を作製できることを確かめている。