英Crescendo Biologics社の組換えマウスを用いて、作出される低分子化抗体の登録商標。ヒト免疫グロブリンの重鎖の可変領域であるVHドメインのみから成り、1価(monovalent)で標的と結合する。

 ヒト免疫グロブリンの重鎖の可変領域の多様性は、V遺伝子断片、D遺伝子断片、J遺伝子断片間で組換えが起きることによってもたらされる。Crescendo社は内在性のマウス免疫グロブリンの遺伝子を欠失させたノックアウトマウスに、ヒト免疫グロブリンのV遺伝子断片、D遺伝子断片、J遺伝子断片を導入した組換えマウスを保有。同マウスのB細胞は、ヒト免疫グロブリンの重鎖しか発現しないため、免疫した抗原に結合するVHドメイン(Humabody)の遺伝子を容易に取得できる。

 Humabodyは、従来の抗体と異なり、重鎖と軽鎖のヘテロダイマリゼーションを必要としないため、複数のHumabodyを組み合わせて、多標的に結合する分子としたり、Humabodyと薬剤との複合体(Humabody Drug Conjugates:HDCs)を創製することが可能。分子量が36kDaと小さく、正常組織や癌組織に急速に浸透・代謝されるため、全身性の毒性が抑えられたり、半減期の延長など改変が容易であったりするメリットがある。