DNAが巻き付いているヒストンや、DNA自体などに対する化学修飾の総称。ヒストンのアセチル化や脱アセチル化、DNAのメチル化などを行うことで、ゲノムの塩基配列そのものを変化させずに、遺伝子発現を調整できる。エピゲノムを標的とした創薬をエピゲノム創薬と呼ぶことがある。

 エピゲノム創薬で主に研究されているのは、DNAメチル基転移酵素(DNMT)や、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)、ヒストンメチル化酵素(HMT)だ。

 癌細胞のエピゲノムの中には、正常細胞と異なるものが存在する。骨髄異形成症候群では、DNMTの変異により、癌抑制遺伝子の配列に高メチル化が生じ、癌抑制遺伝子が機能しないことが分かった。そこで、DNMTを阻害する日本新薬の「ビダーザ」(アザシチジン)が開発され、2011年に承認された。

 また、皮膚T細胞性リンパ腫では、HDACなどのヒストン修飾に関わる酵素に異常が生じていることが明らかとなった。MSDのHDAC阻害薬「ゾリンザ」(ボリノスタット)が開発され、国内で2011年に承認された。