簡便な第3世代のゲノム編集ツールであるCRISPR/Casシステムの新しいRNAガイドエンドヌクレアーゼ。米Broad InstituteのFeng Zhang氏らが、CRISPR/Cpf1を用いてヒト細胞のゲノム編集を行えることをCell誌2015年10月22日号で発表した。

 2012年に論文発表されて爆発的に普及している第3世代のゲノム編集ツールであるCRISPR/Cas9と比べ、2本鎖DNA切断後の5'突出末端が残る、などゲノム編集に適した特徴を持っている。

 Cell誌2016年5月5日号では、東京大学の濡木理教授とZhang氏らが、Acidaminococcus sp由来のCpf1(AsCpf1)について、標的DNAと相補的なcrRNA、標的DNA2本鎖との3者複合体の結晶構造を解析し、Cas9との相違点を解明した成果を発表した(オンライン発表は4月21日)。

 Zhang氏らが2015年10月に発表したCpf1のもう1つの起源微生物であるLachnospiraceaeのCpf1については、中国Harbin Institute of TechnologyのZhiwei Huang氏らが、crRNAとの2者複合体の結晶構造を解析した成果をNature誌2016年4月28日号で発表した(オインライン発表は4月20日)。

 また、Nature誌の同じ発行号で、CRISPR/Cas9の知的財産権をめぐってZhang氏らと争っているスウェーデンUmea UniversityのEmmanuelle Charpentier氏らが、Fransisella由来のCpf1の機能を解析した成果(結晶構造解析ではない)を発表した(オンライン発表は4月20日)。Cpf1は、DNAのみならずRNAの編集にも利用できることが分かった。