遺伝子変異により発症する先天性または後天性の疾患患者において、原因となる遺伝子変異に正常な配列が戻ったり、それを代償するような2次的な変異が生じると、復帰変異モザイク(revertant mosaicism)と呼ばれる。これまでに表皮水疱症や魚鱗癬、免疫不全などの患者において復帰変異モザイクが起きていることが報告されている。

 一方で、健常者や特定の疾患患者において、特定の細胞や特定の組織にのみ認められる、後天的に生じた「モザイク変異」の存在も明らかになっている。モザイク変異は、受精卵から細胞が分裂し、分化する過程において、ある細胞に変異が生じ、増殖して集団を形成したもの。復帰変異モザイク同様、次世代シーケンサーの実用化で全ゲノム解析や全エクソーム解析が行いやすくなり、様々な疾患の背景にモザイク変異が存在することが明らかになってきた。例えば、難治性てんかんの原因となる皮質形成異常症患者の脳の病変部位と血液(白血球)のエクソーム解析を実施し、配列を比較したところ、脳組織のみで認められる体細胞モザイク変異が見つかっている。