強力な明るいパルス状の光(超高輝度のX線レーザー)を直線の加速器で発生させるX線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free-Electron Laser)の日本の施設。XFELは、バイオテクノロジー関連では、蛋白質などの生体分子の詳細な立体構造を解明するのに役立つ。理化学研究所と高輝度光科学研究センター(JASRI)が共同で、兵庫県播磨科学公園都市にある大型放射光施設SPring-8に隣接して2011年に完成させた。SACLAは、SPring-8 Angstrom Compact Free Electron LAserの頭文字から名付けられた。

 SACLAの光の明るさは、SPring-8が発生するX線の10億倍。光は明るいほど、小さいものを高解像度で観察できるため、蛋白質の立体構造をより高分解能で決定するのに役立つ。SACLAの光は非常に明るいため、1パルスが当たっただけで試料は壊れてしまうが、10フェムト秒以下の極短パルスを用いると試料が壊れるよりも早く試料の情報を記録できる。

 SACLAの開発には日本のメーカー300社以上が関わり、世界で最もコンパクトで高性能なXFEL施設を実現した。SACLAの全長はわずか700m。09年に利用が始まった世界初のXFEL施設である米Stanford UniversityのLCLSが全長4kmであるのに比べると5分の1未満。欧州で建設中のXFEL施設も全長3kmだ。電子ビームを蛇行させて光を発するのに必要な磁石を真空容器内に閉じ込める技術や、テレビのブラウン管で使われてきた技術を応用した熱電子銃など、日本のオリジナル技術を駆使している。SACLAとSPring-8の光を同時に使える「相互利用実験施設」も整備された。