ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy)。ホウ素の安定同位体である10Bと中性子の反応を利用した癌に対する放射線治療の1つ。癌細胞に特異的に代謝される化合物を10Bで標識して事前に投与し、体外から中性子を照射すると、中性子は10Bの原子核と衝突して核分裂を起こし、α粒子(4He)とリチウム核(7Li)を生成する。このα粒子とリチウム核は高いエネルギーを有する一方で、組織内で5μmから9μmしか到達しないため、10Bを取り込んだ細胞のみが殺傷され、他の細胞には影響を与えない。副作用の少ない放射線治療として期待されている。

 従来は中性子源として原子炉を用いていたため実施できる施設が限られていたが、一般病院などでも設置可能な、加速器を用いて中性子を発生させる加速器中性子源の研究開発が進められている。