国民皆保険を維持する目的で、2016年度の薬価制度改革で巨額の売上高の医薬品を対象に導入された薬価算定制度。

 特例拡大再算定は、(1)年間売上高が1000億円超1500億円以下かつピーク時予想の1.5倍以上の医薬品、(2)年間売上高が1500億円超かつピーク時予想の1.3倍以上の医薬品――に適用され、それぞれの基準倍率に応じた算定式に基づいて薬価が再算定される。薬価引き下げ率の限度は、(1)の場合は最大25%、(2)の場合は最大50%。特例拡大再算定が適用される医薬品を根拠に薬価算定された医薬品も同様に再算定される。

 2016年1月20日に開催された中央社会保険医療協議会において、2016年度の薬価改定で4成分6品目に特例拡大再算定を適用することが決定した。具体的にはギリアド・サイエンシズのC型慢性肝炎治療薬「ソバルディ」(ソホスブビル)、同「ハーボニー配合錠」(レジパスビル・ソホスブビル配合剤)、中外製薬の抗癌剤で抗VEGF抗体の「アバスチン」(ベバシズマブ)、サノフィの抗血小板薬「プラビックス」(クロピドグレル)。

 現行の薬価算定制度でも、予想以上かつ一定以上の売上高の医薬品やその薬理作用類似品に適用され、薬価を再算定する「市場拡大再算定」があり、特例拡大再算定は、それに加えて新設された。イノベーションを評価する政策に背くとして、外資系製薬企業を中心に製薬業界は特例拡大再算定の導入に反対している。