(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2015年10月】の日本語訳を掲載したものです。

世界

米国と中国は、遺伝子組換え作物承認プロセスを改善

 米国と中国は、農業バイオテクノロジーについての詳細な議論を行い、承認プロセスをさらに改善するとした。Barack Obama米大統領と中国のXi Jinping主席が先週会う前に米国農務省と中国農務省の代表が戦略的農業改革に関する課題を議論した。

 ホワイトハウスからの公開文書で、「双方は、時宜を得た国際的な基準に基づいた、透明性が確保され、予測可能な、そして科学ベースの遺伝子組換え作物製品の承認プロセス実践の重要性を再確認した」と述べた。また、農業バイオテクノロジーに関する経験や研究開発、規制管理、安全承認の実際を共有することに同意した。

国連は貧困をなくすための新しいグローバルな目標を採択

 193カ国からなる国連総会は、2015年9月25日に開催された国連持続可能な開発サミットにおいて、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を新しいグローバル目標として正式に採用した。潘基文国連事務局長は、新たなグローバル目標をユニバーサルな、統合性があり、変革的ビジョンであるとして称賛している。

 「世界を変革:持続可能な開発のためのアジェンダ2030」と呼ばれる新しい枠組みは、貧困を一掃し、不平等と戦う17の目標と169の特定のターゲットで構成されており、また次の15年間の気候変動への取り組みに対するものである。17の目標の1つは、飢餓を終わらせ、食料安全保障を達成し、栄養を改善し、持続可能な農業を推進することである。目標は、歴史的なミレニアム開発目標の上に構築することを目指している。「新しいアジェンダは全ての人々の指導者たちの約束である。これは、人々の議題であるあらゆる形の貧困を終わらせるためのものである。しかも我々の地球の共通のものである」と潘事務局長は、サミットの開会で宣言した。

世界種子データプールにイネ遺伝資源データを入れた

 国際イネ研究所は、作物遺伝資源の世界データ交換システムを形成に向けたステップとして、食料農業植物遺伝資源に関する国際条約(ITPGRFA)の下で3000種類以上のイネゲノム配列を入れた。これは、今月ローマで開催された国連食糧農業機関(FAO)に基づく136-加盟国の植物条約の第6回理事会で公表された。

 FAOによると、遺伝資源データへの単一窓口なしでは科学者が種子中に存在するどんな、そしてどこに遺伝資源があるのかを知ることは困難である。会議の中で、植物遺伝資源に関する単一の情報システムを作成することで、現在の複層的システムをどう改善するかの手順を議論した。既存の遺伝子バンクからの遺伝物質と種子のサンプル入手する方法を含めた各種情報を含むこのシステムは、FAOが開発し、運営することになる。

2015年ノーベル化学賞をDNA修復研究者が受賞

 今年のノーベル化学賞は、細胞がDNAを修復し、ゲノムの恒常性を維持する方法の研究に重要な貢献をした3人の科学者に与えられた。Francis Crick研究所のTomas Lindahl博士は、塩基除去修復および細胞周期に起こるアルキル化、メチル化、および酸化ストレスからの大幅なDNA修復経路を発見した。Duke大学からPaul Modrich博士は、細胞でDNA複製中に発生するエラーを修復する方法を解明した。North Carolina大学のAziz Sancar博士は、ヌクレオチド除去修復経路の先駆的な研究を行った。

 これら3人のノーベル賞受賞者による発見は、細胞が機能し、そのゲノムの安定性を維持するための基本的機構を解明したものだ。これらの知見は、新たな癌治療法および新しい育種技術での作物改良の開発に応用するために不可欠なものである。

世界食料デーで社会的保護と農業に光をあてて祝った

 世界食糧デー(WFD)と国連食糧農業機関(FAO)の70周年の基礎を祝うため2015年10月16日、ゼロ飢餓運動を行っている世界および地域の指導者がミラノ万博に集まった。今年、WFDのテーマは「社会的保護と農業:地域部の貧困のサイクルをなくすため」。

 FAO事務局長、Jose Graziano da Silva氏は、指数関数的人口増大の中で、食糧増産に「素晴らしい成果」を上げた農業生産者、漁業生産者、森林生産者をたたえた。「第一に、我々は、全ての人々が手にできる食糧の増加をより良い栄養価のあるものに変える必要がある。第二に、我々は、食料生産と消費を真に持続可能なシステムに向けて、移行を加速する必要がある。また、栄養をよくすることは、経済成長の最善の源の一つであり、平和を安定に寄与するものである」とGraziano氏は、付け加えた。

アフリカ

キャッサバの12種のウイルスの全ゲノムを解明

 Mikocheni農業研究所とその共同研究者がキャッサバに壊滅的被害を与えるブラウンストリークウイルスの全ゲノムを明らかにした。結果はPLOS One誌に掲載されている。
 毎年、キャッサバブラウンストリークウイルス(CBSV)とウガンダキャッサバブラウンストリークウイルス(UCBSV)は、最大100万ドル相当の被害を起こしている。最近の知見では、7種のCBSVと5種のUCBSV全ゲノムが明らかとなり、病気と闘う方法に光明が見えてきた。既知の配列を通じ、科学者はウイルスが農業生態ゾーンによって制限されているという仮定を反証した。また、疾患を引き起こすウイルスには、4つの異なる種が存在し得ることが推定された。この研究の結果は、持続可能なキャッサバ生産の解決策するものである。

南北アメリカ

アルゼンチン政府、新規遺伝子組換えについて市民の意見求める

 アルゼンチン政府は、新たな遺伝子組換え(GE)の種子の導入に対して、国民が国に対して意見表明する新しい方策を創設した。第一のGE形質は草剤耐性ダイズ品種で、これについてのパブリックコメントを求めている。

 使用する除草剤の影響を環境活動家は批判しているが、農業、畜産および漁業省の下にある農業バイオテクノロジーに関する国家諮問委員会(Conabia)は、「遺伝的に修飾されたダイズの農業生態系へのリスクは、非遺伝子組換えダイズの固有のものとは大きく違わない」と報告した。

 市民は、電子メールや自分の意見書を9月末まで農業省に提出できる。専門家は、その後、Conabiaの報告書を見直す必要があるかどうか判断する。

USDA動植物衛生検査サービス、GEコムギの圃場試験のパブリックコメント公表

 米国委農務省(USDA)動植物衛生検査サービス(APHIS)は、遺伝子操作(GE)コムギの圃場試験の監督を強化するための計画案に使用するために、30日間の期間を設けてパブリックコメントを募集できるようにした。提案している計画は、 GEコムギの将来の全ての圃場試験がAPHISの承認の下で行えるような要件が含まれるように呼びかけている。

 APHISは、10月26日以前に受け取った全てのコメントを検討する。

食品加工プロセスの表示の系統的レビューをCASTが公表

 米国に拠点を多く非営利組織である農業科学技術評議会(CAST:The Council for Agricultural Science and Technology)は、「プロセス表示が生産者と消費者の情報ギャップを効果的に埋めることができる」と題する論文を公表した。これは、現在の食品加工プロセスの表示とそれが食品・農業セクターに与える影響を示すものである。

 論文は、「表示の禁止は良いアイデアではない」としている。プロセス表示は、消費者により良い情報を与えることになるし、市場における製品の質についてより現実的な期待を持てることになる。論文の著者は、プロセスの表示に対しては、以下のような政策提言を出している。

・政府は、プロセス表示を禁止すべきではない
・表示義務は、科学に基づく事実が、製品が有害であることを証明した
場合にのみに課される
・自主的表示は、それが正しいものでしかも科学的に証明されているな 
ら、奨励されるべきである
・次世代プロセス表示は、「全か無症候群」的なものは避けるべきであり。一方、消費者に明確に情報を与えるように新しい技術と想像力豊かな方法を取り込むべきである。
アルゼンチンでストレス耐性ダイズに規制当局が最終承認を与えた

 アルゼンチンの農業企業のBioceres社と、米国の環境・農業系企業の米Arcadia Biosciences社の合弁である米Verdeca社が開発したストレス耐性品種ダイズHB4が、2015年10月6日にアルゼンチン農業、畜産および水産省から承認を取得した。隔離圃場での3年間試験を含め、アルゼンチンと米国での複数の場所での6シーズンの圃場試験の後に、ストレス耐性大豆は、ダイズ生産地での典型的なストレスである旱魃や低水の条件のもとで最大14%の収率改善を示した。アルゼンチン規制プロセス完了により、開発者は今、南アメリカダイズの最大の輸入先の中国にHB4大豆を輸出できるように承認を得ることに焦点を当てている。

アジア・太平洋

南豪の農業生産者が遺伝子組換え作物の栽培許可を呼び掛け

 オーストラリア南オーストラリア州の農業生産者は、南オーストラリア州の遺伝子組換え(GE)作物栽培モラトリアムを至急解除するよう政府に嘆願を開始した。請願書は、2015年9月29日にYorke半島農場デーの栽培者の日にGrain Producers SA (GPSA)が嘆願書を提出した。嘆願書は、Leon Bignell農業大臣に宛てたもので、栽培禁止を解除し、その決定を州政府に行うようにという内容である。

 「私たちのメンバーは、他の州が持っている農業システムと同じ選択の自由を持っていないことにますます焦燥してきている」とGPSAのDarren Arney最高経営責任者(CEO)は述べている。「GPSAの方針は。生産者は、それぞれの農業システムに最も合致した穀物、豆類や油糧種子の品種を栽培する選択の自由を持つべきということだ。これは、遺伝子組換え作物へのアクセスを有することを意味する」という。

インドのBtワタ圃場をアフリカの組換え作物関係者が訪問

 2015年9月27日から10月2日にかけて東と南アフリカワタ栽培地域からの29名の代表団が、インドのBtワタ圃場に一週間の視察旅行に参加した。「百聞は一見にしかず」とする視察旅行は、ニューデリーにある南アジアバイオテクノロジーセンター(SABC)、東南アフリカ共同市場(COMESA)と米国農務省、およびISAAA AfriCenterの共同で行われた。代表団は、6つのワタ栽培国 ( ケニア、スーダン、マラウィ、エチオピア、スワジランド、ザンビア)から政策立案者、規制当局、政府関係者、研究者、および消費者の代表者が含まれている。

 視察旅行の目的は、代表団が圃場にけるBtワタの作柄を確認し、公共および民間機関の関係者と対話する機会を持ち、インドのBtワタの導入経験に基づいてBtワタを承認することのメリットとリスクを議論することである。視察旅行(9月28~29)の第1段で、Haryana州とPunjab州における灌漑ワタ栽培地帯を訪問した。視察旅行(10月2日から9月30日まで)の次段階では、Maharashtra州の乾燥区域への訪問が含まれている。

 参加者は、CCS Haryana 農業大学(HAU)、Hisarとワタ研究中央研究所(CICR)、Sirsa地域研究拠点の科学者やワタの育種家と対話する機会を得た。HisarのK.S. Kokhhar博士(HAUの副学長)は、北インドのワタの転換を賞賛し、「Btワタの成功は、典型例であり、インドのワタ栽培地域の変革に貢献した。」と言及した。ケニア農業・畜産省Hon. Moses Mwaje大臣は、「アフリカ諸国は技術導入において後れを取ってはならない。アフリカ諸国は、ベネフィットのある最新の技術を導入し、前に進むことを願っている。インドの農業生産者は、繰り返しBtワタを栽培し、これが人々のニーズに対応している証である」と述べた。

 視察旅行がアフリカの関係者がワタハイブリット種子市場と規制そしてバイオセーフティコミュケーション、そして遺伝子工学の商業化に関する必要な自信を積み上げることに役立つと期待される。

フィリピン農務省次官がBTナス農業生産者への支援を確約

 フィリピン農務省(DA)の農業政策、企画、研究開発および規則担当Segfredo Serrano次官は、fruit and shoot borer抵抗性のBtナスの商業栽培にむけての支援の宣言を行った。その宣言は、2015年9月30日にIloilo Convention Centerで開催された「農業バイオテクノロジーのためのグローバルアライアンスフォーラム(GAABT):低レベルGMの存在とGMと有機農業の共存のモデル」の際に遺伝子組換えトウモロコシ農業生産者Edwin Paraluman氏に渡された。

 宣言は、フィリピン大学 Los Banos校(UPLB)でBtナスの科学、安全性、および潜在的な利点について学習した後、ほぼ700フィリピンの農業生産者、科学者、およびPangasinan、Laguna、Batangas、Quezon、Camarines Sur、Isabela、Cagayan De OroとMindanaoの他の州からの農業の利害関係者によって署名された。Serrano次官は、農業生産者や関係者の感情を認識し、「私はまた、政府がよく認識するための請願書を取得するためにこのような徹底的な力を集めることを必要としない。そして農業生産者と農業関係者が正当な権利を押し出すことの必要のない日が来ることを願っている」と述べた。

 Btナスのプロジェクト指導者であり、推進者であるUPLBのDesiree Hautea博士が、フィリピンでのBtナスの開発状況を発表し、borersによる収量減、農薬の使用量と労働の軽減、ヒトと環境の健全性の改善、そして最終的に農業生産者の利益を増加させることを述べた。Paraluman氏は、Btナスを長い間を待ち続けていると述べた。「トウモロコシを植えて利益を上げられるなら、ナスならもっと利益を上げられる。なぜならナスを栽培しても、70%~90%がナスボーラーという病気に起因することで失っている。Btナスでは、農薬の噴霧も少なくできるので、健康にも良い」と述べた。

 フォーラムは、アジア太平洋経済協力会議(APEC)農業バイオテクノロジーに関する高レベル政策対話で進められたものだが、これは、食料安全保障ウィークの一部でもある。

APEC 2015で遺伝子組換え作物を議論

 アジア太平洋経済協力者会議(APEC)食料安全保障ウィークの一環としてISAAAと共同で、フィリピンが今年の主催国として「農遺伝子組換え作物に関する高レベル政策対話(HLPDAB)」を開催し、この地域での農業バイオテクノロジー開発についてAPECメンバーの代表が2015年9月30日から10月1日まで Iloilo Convention Center、 Iloilo Cityで議論した。「改善された弾力的、包括的な成長、および食糧安全保障のための遺伝子組換え作物に関する協力を強化」をテーマの焦点とした。APECによると、HLPDABは「APEC閣僚や首脳は、遺伝子組換え作物製品の安全な導入とこれらの製品の一般市民の受容性を得ることの重要性の認識」を確認した。

 ワークショップでは、フィリピン農務省Segfredo Serrano次官が議長を務めました。 ISAAAのRandy A. Hautea博士は。「6月に行われた作物育種と科学コミュニケーションに関する革新のメリットを支援したワークショップの成果」を発表した。

 今回の活動は、「遺伝子組換え作物交易に向けた世界同盟(GAABT)ための低レベルGMの存在と、GMと有機農業の共存モデル政策に関するフォーラム」で先行し、CropLifeカナダのStephen Yarrow博士の講演をもってCropLifeフィリピンが開始した。フィリピン農務省(DA)の遺伝子組換え作物アドバイザリーチームSaturnina Halos博士が、フィリピン農業生産者の生活に遺伝子組換えトウモロコシ導入がその収穫量と収入の増加をもたらした大きな影響と共存に関する洞察について話題提供を行った。

アジアにおける遺伝子組換え作物導入のためのコミュニケーション戦略の開発

 アジアの遺伝子組換え作物導入のためのコミュニケーション戦略の開発に関するワークショップが9月28-29日でタイのDusit Island Resortで開催された。18カ国から45人が参加した。参加者は主に科学者や研究者で、ワークショップに出席した。この会合は、遺伝子組換え作物(APCAOB)とマレーシアのバイオテクノロジー情報センター(MABIC)、農業研究機関のアジア太平洋協会(APAARI)、ISAAA、アジア太平洋地域コンソーシアムによって共同開催された。課題を理解し、経験を共有し、地域におけるGM技術の速い導入を支援することができるコミュニケーション戦略を推奨することを目的としたワークショップである。

 タイ農務省次官のAlongkorn Kornthong博士が会議を主催し、新しい考え方や経験を各国が共有すること、また農業開発にはまだ遺伝子組換え作物を導入していない国での課題を議論探求することの重要性を強調した。

 分科会では、政治家、政策立案者、メディア、農業生産者、民間部門など、さまざまな関係者に向けての遺伝子組換え作物に関するコミュニケーション方法の課題と戦略が議論された。

 オーストラリアの科学コミュニケーターのCraig Cormick博士は、一般市民を階層分けすると科学に対する対応に大きな違いがあることがわかるとした。彼は、一般市民は決して「一つ」のものではなく、多様であり、一般市民の価値観や考え方があるのでそれらに対応したコミュニケーション戦略をあわせる必要があると強調した。

中国でGE作物や食品に関する一般市民の対応に関する調査

 中国農業大学やその共同研究者は、中国の消費者の世帯、農家世帯に対して面接調査を実施し、遺伝子組換え作物についての対応を調査した。結果は、Plos One誌に掲載されている。

 回答者の購買傾向をみるために、科学者たちは、離散選択アプローチを使用した。また、回答者の好みに様々な要因の影響を分析するために、2つの独立したプロビットモデルを使用した。

 結果は、Btワタの農家は、その栽培から得られる経済的利益により非常に好意的態度を有することを示した。先進地域の消費者は、他地域の消費者より受容意欲があり、GE食品を購買する意欲があった。科学に関与する人々は、GE食品に向けて前向きな姿勢を示し、今後も中国での遺伝子組換え作物の推進に影響を与えると考えられる。

 また、政府、メディア、科学者が行っている遺伝子組換えに関する情報の伝達および政府機関による遺伝子組換え作物に対する決定が、この国おけるこの技術の受容性を上げるのに大きな働きをするのみならず不可欠であることが示された。

バングラデシュイネ研究所、隔離圃場でのゴールデンライス試験栽培を設定

 バングラデシュのイネ研究所(BRRI)の科学者たちは、網室でのゴールデンライスの試験が成功裏に完了し、現在は次のステップである隔離圃場試験を設定した。

 バングラデシュMatia Chowdhury農業大臣によると、作物バイオテクノロジーに関する国家技術委員会は、先月隔離圃場試験を実施するBRRIの要望を承認した。ゴールデンライス品種(GR-2 E BRRI dhan29)は11月に試験が開始される。

 世界保健機関(WHO)のデータによると、バングラデシュでは就学前児童の5人に1人がビタミンA欠乏であり、国の妊婦の24%がまた欠乏である。ゴールデンライスが利用可能になると、150グラムビタミンAが強化されたコメが、大人のビタミンA必要摂取量の半分を十分に供給できる。

ヨーロッパ

高葉酸安定性を有するイネを開発

 ベルギーのGhent Universityの研究者らはバイオテクで葉酸を強化・安定したイネの開発に成功した。研究チームは、新たなイネの原品種(プロトタイプ)を開発した。そして葉酸がが長期安定に保存できる2つの戦略を適用した。第1の戦略は、葉酸結合蛋白質との結合葉酸を作ることである。この蛋白質は、よく哺乳類で研究が進んでいるが植物では不明でだった。それはミルク中にあり、葉酸を分解しないように保護する。牛乳からの葉酸結合蛋白質に基づき、コメの葉酸含有量を長期安定に保存できた。

 第2の戦略は、葉酸生合成の最後のステップを促進することである。これによると葉酸分子の末端を延ばすことができる。このことが葉酸依存蛋白質への結合と細胞内での保持力を高めることになる。葉酸の安定性を高めることに加えて、新しい遺伝子を結合させることで葉酸のレベルを通常のイネの150倍に高めた。

 この研究で使用される全ての遺伝子は1つのDNA配列に隣接して配置され、これらの遺伝子は容易に食用品種に移せる。これは、他のビタミンや鉄のようなミネラルの強化など他の興味深い特性との組み合わせを作ることも容易である。この技術はまた、他の農作物、穀類(コムギ、モロコシ)および非穀類(ジャガイモ、バナナ)などでも利用できる。

文献備忘録

新刊:遺伝子組換え主要事実50

 ISAAAは、「主要遺伝子組換え事実50」を発行した。これは農業バイオテクノロジーの背後にある50の科学、応用に関連するトピックスおよび課題を集めたものである。ポケットサイズの「ポケットK」シリーズで、過去15年間にISAAAによってつくられた知識のポケット版である。各トピックスは、「一口サイズ」の情報となっているので、遺伝子組換えを導入・利用しようと考えている方々のほしい情報を提供するものである。
フィリピンで遺伝子組換えコーン:フィリピンの状況

 SEARCAバイオテクノロジー情報センターは、「フィリピンで遺伝子組換えコーン:フィリピンの状況」を発行した。これは、「ISAAA概要第49号:遺伝子組換え/ GM作物商業化の世界状況2014」のフィリピンに関する章からまとめたものである。これは、国別の農業状況を概説したもので、ここでは特に遺伝子組換えコーン。そのバイオセーフティ規制の背景。フィリピンにおける遺伝子組換え研究と続々でてくる後継製品、遺伝子組換え導入ついての関係者の経験と思い入れが書かれている。

この出版物は以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/resources/publications/biotech_crop_profiles/biotech_corn_in_the_philippines/download/default.asp