国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学の尾崎紀夫 特任教授、医学部附属病院ゲノム医療センターの久島周 病院講師、総合保健学専攻実社会情報健康医療学の中杤昌弘 准教授らの研究グループは、主要な精神疾患である双極性障害、統合失調症、自閉スペクトラム症を対象に、ゲノム変異のタイプであるゲノムコピー数変異(CNV)の発症に対する関与について調べました。3疾患の患者と健常者、合わせて8,708例のCNVデータを詳細に解析した結果、双極性障害でみられるCNVは小規模な欠失が多く、大規模なCNVが多い自閉スペクトラム症や統合失調症とは異なることを見出しました。神経発達症と関連する既知のリスクCNVは、3疾患それぞれのリスクに関与する一方、双極性障害に対するリスクは、自閉スペクトラム症や統合失調症に比べて小さいことを確認しました。双極性障害の発症に関与する遺伝子として、PCDH15、ASTN2、DLG2を同定しました。CNVデータに基づき、分子レベルで発症メカニズムを検討した結果、双極性障害ではクロマチン機能に限定した関与が示唆された一方、自閉スペクトラム症や統合失調症はより広範でオーバーラップする分子メカニズムの関与が示唆されました。最後に、統合失調症と自閉スペクトラム症では、タンパク質の設計図である遺伝子が存在しない領域(ノンコーディング領域)のCNVが発症に関与する可能性が示唆されました。

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