岡山大学学術研究院 環境生命科学学域の田村 隆教授と山本倫生准教授、坂本 亘教授、および京大、東大、神戸大などの共同研究グループは、抗ウイルス活性、抗原虫活性、抗真菌活性を持つ核酸系抗生物質シネフンギンの増産技術を開発しました。シネフンギンは発酵生産にかかわる遺伝子群が休眠状態にあり、極微量(< 2 ppm)しか生産されません。そこで遺伝子発現のボトルネックである転写装置RNAポリメラーゼ(RNAP)を任意に改変できるゲノム編集技術を開発しました。次にRNAPの突然変異効果の文献データをアミノ酸パラメータAAIndexに参照してSparse解析を行い、機械学習に基づく多重変異コードを設計しました。ゲノム編集技術を用いて変異導入した結果、高生産株が得られました。さらに量子化学計算により変異導入箇所はRNAPの内部アミノ酸残基とmRNAの強い相互作用が示され、今後の変異設計に利用できる新知見が得られました。これらの成果は令和3年1月20日、日本農芸化学会英文誌 Biosci. Biotechnol. Biochem.に掲載されました。本研究成果はウイルス感染症の治療薬として期待されながら社会的にまったく利用されていない核酸系抗生物質の実装化に導く重要な起点になると期待されます。

プレスリリースはこちら