東北大、脳の設計図の理解に先鞭 ~脳における神経伝達物質受容体のマッピング~

(2020.02.14 10:34)

 脳の働きを理解するためには、細胞同士の繋がりを知り、神経ネットワークの動態を理解する必要があります。近年、神経同士の接続をひとつひとつ明らかにしていくコネクトームと呼ばれる研究がトレンドであり、さまざまなモデル動物の脳の設計図が分かりつつあります。一方、神経ネットワークの働きを理解するためには、個々の神経の接続部において用いられる神経伝達物質とその受容体を同定することが重要となります。これまで、多数の神経伝達物質受容体を対象とし、その脳発現分布を網羅的に解析した先行研究例はほとんどありませんでした。今回、東北大学大学院生命科学研究科の谷本教授、山方恒宏准教授らのグループは、75種類にも及ぶ神経伝達物質の受容体遺伝子について、ショウジョウバエの脳のどの部位に存在するかを網羅的に解明しました。受容体は既存の薬剤標的の44%を占める重要な遺伝子ファミリーです。本研究によりショウジョウバエの脳の「受容体発現地図」が明らかになり、記憶やナビゲーションなどの「高次機能」を司る、高次中枢では他の脳領域と比べ異なる受容体発現特性を持つことがわかりました。これらの解析により、これまで不明だった脳の設計図の一端が見えてきたのです。この成果は、今後、脳細胞間の接続における情報処理を理解することに役立つことが期待されます。本研究結果は、2020年1月7日のCell Reports誌(電子版)に掲載されました。本研究は、文部科学省科学研究費補助金、内藤記念科学振興財団、日立財団、上原記念生命科学財団および持田記念医学薬学振興財団研究助成金の支援を受けて行われました。

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