シアル酸は細胞表面に存在する糖の一種であり、母乳や卵に多く含まれることが知られています。また、シアル酸が多数結合したポリシアル酸(PSA)は胎児期の脳に一時的に発現し、神経系の正常な発達に重要な役割を果たすことも明らかにされています。一方で、大人の脳の神経細胞(ニューロン)の一部にもポリシアル酸が発現していることが報告されています。最近の研究によって、神経細胞接着分子(NCAM)上に存在するポリシアル酸(PSA-NCAM)が様々な神経栄養因子や神経伝達物質と結合し、神経活動の制御に関与している可能性が示唆されていますが、詳細については理解が進んでいませんでした。この度、九州大学大学院医学研究院の山田純講師と神野尚三教授の研究グループは、北海道大学の渡邉雅彦教授、名古屋大学の佐藤ちひろ教授らと共同で、海馬のポリシアル酸が気分の調節や「やる気」に関わるセロトニンシグナル伝達と抗うつ薬の作用発現に重要な役割を果たしていることを世界に先駆けて発見しました。

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