東北大学大学院薬学研究科の井上飛鳥准教授、青木淳賢教授とドイツハイデルベルク大学のRussell博士らの研究グループは、くすりの主要な作用標的である細胞表面に存在するタンパク質群の情報伝達様式を解明しました。私たちの体にはこのタンパク質群が約280種類存在し、ホルモンに応答する情報伝達センサーとして個々の細胞に備わっています。このセンサータンパク質の機能異常は数々の疾患を引き起こします。くすりは異常となったセンサータンパク質に結合して、その機能を正常化することで疾患を治す働きがあります。一方で、このセンサータンパク質が細胞に伝える情報の種類は多様であり、その一部は副作用に関わることが知られているものの、全容は分かっていませんでした。今回、研究グループは約150種類にも及ぶセンサータンパク質群の情報伝達様式を明らかにしました。得られた実験データを基に、センサータンパク質のアミノ酸配列から情報伝達様式を高精度に予測するアルゴリズムを開発し、残りの約130種類のセンサーの情報伝達様式をスコア化するとともに、特定の情報を入力することのできる人工センサーを作製しました。この研究成果は、薬効と副作用の分子機序の解明に貢献するとともに、未だ治療薬のない疾患に対するくすりの開発を加速することが期待されます。

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