現代人の5人に1人は、一生の間に何らかの精神疾患を発症するといわれており、その原因解明および治療は、精神医学や神経科学における中心的課題の一つです。また、精神疾患は遺伝率が高く、しばしば生物学的な適応度(生存や繁殖)に大きな影響を与える可能性があるにも関わらず、ヒトの集団中に頻繁に見られることから「進化的なパラドクス」と捉えられることもあり、その進化機構の解明は進化学的にも重要な研究課題です。さらに、統合失調症や自閉症などの精神疾患は、社会行動や認知機能など、ヒトを特徴づけるような高次脳機能の障害を示すことから、人類の高次脳機能の進化の副産物として精神・神経疾患が生まれたのではないかという仮説があり、精神疾患関連遺伝子は人類の脳の進化において重要な役割を果たしたと考えられます。

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