動物のからだは、様々な細胞や組織が適切な位置に配置されることで、秩序だってつくられています。では細胞はどのようにして自らの位置を知り、役割を分担しているのでしょうか。このような位置の認識には、個々の細胞が細胞の外からのシグナル分子を受け取ることが重要であることが知られています。分泌性タンパク質であるWnt(ウィント)は、その代表的なシグナル分子の1つであり、動物のからだづくりの過程である胚発生の過程や、幹細胞の維持やがん化にも関わります。例えば、発生の初期に頭部、胴部、尾部などのパターンが決まりますが、その過程でWntは、胚の後方の細胞から分泌されて濃度勾配を形成し、その濃度の高低によって胚の中の位置を知らせる、つまり前後軸に沿った「位置情報」のパターンを形成すると考えられてきました。しかし実際に、脊椎動物の胚の中でWntがどのように分布しているのか、またその分布がどのように形成されるのかはよく分かっていませんでした。

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