近年のスーパー(薬剤)耐性菌の出現は、難治性の感染症を引き起こす危険性からも世界を震撼させています。その背景には、医療現場のみならず畜水産業現場における抗菌剤の濫用が指摘されています。ヒトや畜水産物の流通は世界規模で拡大しているため、これらスーパー耐性菌は地域や国境を超えて拡散することとなり、公衆衛生上の大きな課題となっています。耐性菌は社会生活(食を含む生活環境)のある種の条件下で出現・拡散しやすく、耐性遺伝子がプラスミド上に存在するため耐性能が菌種を超えて水平伝播を起こす可能性が高いことは言うまでもありません。健常人における多剤耐性菌保有が発展途上国において急増していることは近年の報告で周知となっており、この増加に適切な対処ができなければ、多剤耐性菌の性質上、当該地域や国に限らず世界的な蔓延を引き起こす大きな脅威となります。耐性菌蔓延の問題は従来のような院内感染にとどまるものではなく、今や人々の生活習慣、食品管理や流通など社会全体の問題となっています。発展途上国ではその傾向が顕著で喫緊の公衆衛生課題となっていますが、そこで、本シンポジウムでは、薬剤耐性菌蔓延の現状とその抑制に向けた取り組みを各方面で活躍されている研究者ならびに政策立案者を含め、また、会場の参加者も交え多面的に議論し今後の対応策を探ります。

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