
1つ目は、米食品医薬品局(FDA)による米Biogen社のアルツハイマー病治療薬「Aduhelm」(アデュカヌマブ)の迅速承認です。迅速承認は、業界で大きな波紋を呼び、米保健福祉省(HHS)が調査に乗り出す事態になりました。欧州では2021年12月17日、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)が承認に否定的な見解を発表。日本では12月22日に、厚生労働省が薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開催し、承認の可否を審議します。専門家はどのような判断を下すのでしょうか。(セレクション1~4)
1:米国でのアデュカヌマブ迅速承認で広がる波紋と懸念、そして日本導入への課題
2:米HHS、アデュカヌマブ含め、FDAの迅速承認の実態を調査へ
3:アデュカヌマブ承認はアルツハイマー病創薬に何をもたらすのか?
2つ目は、理化学研究所元プロジェクトリーダーの高橋政代氏が社長を務めるスタートアップが、網膜色素上皮(RPE)細胞の製造方法の特許(特許第6518878号)について、「公共の利益のため特に必要である」として、経済産業大臣に通常実施権の設定を求めた裁定請求です。私はこの取材を通じ、裁定請求を初めて知りましたが、過去にほとんど例がないだけに、どのような落としどころになるのか、引き続き注目されます。(セレクション5~7)
5:専門家に聞く、元理研の高橋氏によるRPE細胞特許の裁定請求をどう見るか?
6:高橋政代氏に聞く、なぜRPE細胞特許の裁定請求に至ったのか
7:元理研高橋氏のスタートアップ、RPE細胞特許の実施許諾求め裁定請求
3つ目は、2021年度の補正予算で経済産業省が2022年に立ち上げる2つの事業についてです。どちらも、新型コロナのワクチン開発に敗れたことを受け、創薬ベンチャー育成や製造拠点整備を掲げて新設される事業です。特に創薬ベンチャーの育成事業では、日本医療研究開発機構(AMED)が初めてベンチャーキャピタルを認定することもあり、注目が集まっています。(セレクション8~10)
9:経産省、補正予算で「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」立ち上げへ
10:経産省、バイオ医薬品や部素材の製造拠点整備へ2200億円超を確保
業界の方々には、本年も大変お世話になりました。また来年も引き続き、どうぞよろしくお願いします。