(画像:123RF)
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 2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、世界中の製薬・バイオ企業が治療薬の開発に乗り出した。既存薬を転用するドラッグリポジショニングや、COVID-19に対する新規治療薬の創製により、国内では既に複数の治療薬が承認されている。しかしそれらの効果は限定的であり、引き続き新薬の開発が望まれる。

 COVID-19の治療薬の開発を手掛けるのが、宮崎大学発の創薬スタートアップであるひむかAMファーマ(宮崎県宮崎市、新城裕司代表取締役社長)だ。同社は、日本で発見された生理活性ペプチドであるアドレノメデュリン(AM)に焦点を当て、COVID-19による肺炎を対象にした開発を進めている。

 SARS-CoV-2が血管内皮細胞に感染すると、炎症が発生して血管障害が起きる。AMは血管統合性を制御する上で必須の因子であり、加えて抗炎症作用を有することから、COVID-19による重症肺炎患者にAMを投与することで、血管や肺の損傷、多臓器障害を抑制する可能性があると考えられている。

 現在は宮崎大学を中心として、COVID-19肺炎に対するAMの第2a相多施設共同医師主導治験が進行中。同社は治験薬製造技術の開発と後期臨床試験を担う予定だ。

 2010年2月に設立された核酸医薬スタートアップのボナック(福岡県久留米市、林宏剛代表取締役社長)も、COVID-19治療薬に名乗りを上げている。同社はsiRNAやmiRNAと同様の機能を持たせた長鎖の1本鎖RNAである「ボナック核酸」を基盤技術に持ち、特発性肺線維症を対象とした第1相臨床試験が米国で進んでいる。

 同社は、COVID-19治療薬の開発に向け、福岡県との共同研究プロジェクトを2020年5月に始動させた。ボナック核酸が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の遺伝子を分解し、その増殖を直接抑えることにより肺炎の発症を抑制、軽減できると考えている。有望な候補となる1本鎖RNAを絞り込んでおり、吸入薬として開発を進めたい考えだ。

バイオスタートアップ総覧 2021-2022
COVID-19検査技術関連の研究開発を手掛ける企業の掲載ページは以下の通りです。
イーベック(p.65)、サーマス(p.174)、バイオミメティクスシンパシーズ(p.325)、ひむかAMファーマ(p.339)、ヒューマンライフコード(p342)、ボナック(p.373)、リバーセル(p.442)、ルカ・サイエンス(p.453)、レナサイエンス(p.465)、Elix(p.523)、Epsilon Molecular Engineering(p.533)、HiLung(p.558)、KOTAI バイオテクノロジーズ(p.591)、Repertoire Genesis(p.628)、S&K バイオファーマ(p.640)、SBI バイオテック(p.649)、SyntheticGestalt(p.659)、Trans Chromosomics(p.668)など
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