政府の健康・医療戦略本部は2020年4月17日、医療分野における研究開発関連の調整費について、2020年度第1回分として新型コロナウイルス関連の研究開発に32.5億円を配分することを決定した。竹本直一健康・医療戦略担当大臣は「喫緊の課題へ対応するため、トップダウン型の調整費を配分し、新型コロナウイルス感染症に関する研究開発を加速・拡充する」と述べた。

 まず、治療薬の研究開発を加速拡充するために2億円を配分する。調整費などで開始した、既存治療薬の臨床研究を実施する医療機関を追加するとともに、併用薬剤の評価に対応することで既存治療薬の開発研究を加速・拡充する。具体的には、2019年度の第3回調整費で開始した、「アビガン」(ファビピラビル)の臨床研究に参加する医療機関を30施設程度追加するとともに、「オルベスコ」(シクレソニド)とアビガンの観察研究を実施する。また、既存治療薬を複数併用した際の抗ウイルス作用を、in vitro評価などの前臨床試験で検討する。

 新たな作用機序などによる治療薬の研究開発に10億円を充てる。既存の創薬基盤を活用して早期に実用化が期待される新規治療薬について、公募を行い臨床試験(第1相)までの研究開発を推進する。例えば、新規の感染阻害活性、増殖阻害活性など、既存治療薬とは異なる作用機序に着目した新薬の候補について広く提案を受け、その中で特に効果を期待できる薬剤の開発を進める。

 創薬標的探索機能の強化・拡充には16.5億円を充てる。新型コロナウイルス感染症治療薬の標的因子の探索機能を強化・拡充する。300keVのハイエンドタイプのクライオ電子顕微鏡をバイオセーフティーレベル(BSL)3施設に整備し、ウイルスの構成蛋白質のより詳細な構造解析を可能にする。

 血液サンプルなどの検体や情報を集積・解析するために4億円を充てる。回復者を含む感染者から血液サンプルを集積し、免疫応答などを詳細に解析して、重症化バイオマーカーの特定や免疫能の持続性などの情報を収集する。また、海外研究拠点で得られる検体や情報を活用し、多様な分野と連携する研究や、地域横断的な研究を推進する。