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 人工知能(AI)を利用し、情報解析などを手掛けるFRONTEOは、2020年4月17日にAIを利用した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するドラッグリポジショニング(既存薬の転用)の研究を開始すると発表した。AIを活用して、COVID-19に関連する標的分子などを探索する。研究には、疾患の原因分子や発症メカニズムなどを可視化するために同社が独自開発したAIシステムの「Cascade Eye」を利用する。早ければ数週間以内に解析結果が公表されるとみられる。

 Cascade Eyeは疾患に関係する分子や遺伝子などの情報をAIが短時間で解析し、それらの関連性などをパスウェイマップ状に可視化できるシステムだ。具体的には、同社のAIエンジンである「Concept Encoder」が、PubMedの医学系論文および、ゲノム情報や標的分子、医薬品の情報などを蓄積した海外のデータベースであるOpen Targetsにアクセス。膨大な文章やデータの中から、重要なデータを抽出したり、疾患と標的分子の関連性やメカニズムなどを解析したりして、パスウェイマップを作製する。今回同社はCascade Eyeを利用して、COVID-19に関連する標的分子などをまとめたパスウェイマップを作製する。

 作製されたマップは、COVID-19の治療薬の開発向けに、プレスリリースなどの形で公表する予定だ。製薬企業などが、マップ上の標的分子の情報などを参考にし、ドラッグリポジショニングに活用することを想定している。同社の広報担当者は、「同システムではAIが瞬時に判断するので、パスウェイマップの作製にはそこまで時間はかからないだろう」と説明しており、早ければ数週間以内に結果が公表されるとみられる。

 FRONTEOは、独自開発したAIエンジンの「KIBIT」と「Concept Encoder」を用いて、自然言語処理による情報解析を支援する企業。2003年の創業以来、国際訴訟で必要な証拠となる電子データの調査や分析など、法律関連の事業をメインに手掛けてきた。2014年以降は、金融、知財、医療分野などへ事業の幅を拡大。医療分野では、AIを活用した創薬支援の他、認知機能障害の重症度などを判別する診断システムの研究開発なども進めている。